2010年12月28日火曜日

来年の展覧会はこんなかんじで

本日仕事納めという方も多いのではないでしょうか。

当館も例にもれず、職員は明日より正月休みです。ただし、監視の方は24時間常駐ですので、お正月も交代勤務で美術館を守ってくださってます。おつかれさまです!

さて、年内最後の更新では、来年の主な展覧会(予定)をご紹介します。


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現在開催中~2011年 1/23  
  2010年度コレクション展3 特集「写真家・片山攝三の眼 芸術家の肖像を中心に」


1/29~3/13
  企画展「池田龍雄 アヴァンギャルの軌跡」


3/20~6/5
  2011年度コレクション展1(日本画を中心にした特集展示)


5/26~7/3
  特別展「棟方志功 旅と祈り」


6/11~8/31
  コレクション展2(洋画家 髙島野十郎を中心にした特集展示)


9/6~10/2
  第67回県展


10/8~11/27
  企画展「郷土の美術をみる・しる・まなぶ vol.3 太宰府の美術」(仮題)


10/27~12/11
  特別展「安野光雅展」(仮題)


12/2~2012年 1/26
  コレクション展3(木彫を中心にした特集展示)


2/4~3/11
  企画展「糸の先へ」(仮題/染織およびテキスタイル)


* 以上はすべて予定です(一部を除く)。会期、展覧会名、内容など変更される場合もあります。

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こんなかんじですが、さて、来年は何回くらいケンビにいらしてくださいますか?

1月5日からオープンですので、みなさんの変わらぬご活用をお待ち申し上げております。

では、どうぞよいお年をお迎えください!

2010年12月22日水曜日

1ヶ月がたちました

「郷土の美術をみる・しる・まなぶ vol.2 小石原焼と小鹿田焼 いとおしいやきものたち」が終了し、約1カ月がたちました。44日間で4,148人の来場者のみなさんを迎えることができたことをとてもうれしく思います。

開催中はいろんな笑顔に出会えました。

やきものを愛してやまずご自慢のうつわについてたっぷりと聞かせてくださった方、全部のクイズをこっそり楽しまれた方、粘土をえんえん触って遊んでいた子どもたち、ちらっと見るだけのつもりが気づけばどっぷりとはまり込んでしまった方。展覧会場がまるで往来のただ中であるかのように、たくさんの人がそれぞれ思い思いに時間を過ごし、やきものたちと自由に会話を楽しんでくださいました。

いろんな方からいろんな声もいただきました。会場でのアンケートやノートだけでなく、ツイッターでのつぶやきやブログへの書き込みなど、担当者はじめ美術館のスタッフみんながその声に支えられ、励まされました。

ほんとうにありがとうございます。

福岡県立美術館がたくさんの人たちに支えられ、愛されていることを実感できた展覧会でした。

もうすこし時間はかかりますが、展覧会の報告をなんらかのかたちでまとめられれば、と思っていますので、楽しみに(?)お待ちいただければ幸いです。


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このブログはしばらく継続し、来年1月半ばからは「池田龍雄 アヴァンギャルドの軌跡」展('11 1/29-3/13)のブログとなります。どうぞひきつづきご愛読ください。

2010年11月26日金曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その25

展覧会も残すところあと3日間となりました。

ということは、この「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」もあと3日間ではあるのですが、ブログではもうすこし延長して、引きつづき投稿をお待ちしております。「投稿しようと思ってたけど、、、」という方は、ぜひ初志貫徹でご投稿を!

さて、その25はふしぎなうつわ。それもそのはず、投稿者は不思議博物館 館長の角孝政さんです。

《不思議博物館 館長さんのお気に入り》
根皿&根カップです。不思議博物館カフェコーナーの標準仕様食器として僕自らがデザイン し、実製作は宮崎県の魚人陶房さんに依頼しました。
根皿はデザート皿で、キノコをイメージした出っ張りの上にも果物等を 置くと、立体的な盛りつけになります。根カップは主にコーヒー等の温かい飲み物の時に使います。球根の様な 物から根っこが出て来ているのをイメージ。オシャレになり過ぎない様に気をつけました。


カフェコーナーでは使っていますが、プライベートではほとんど使いません。何故なら、飲みにくいし洗うのも大変で収納も場所も取ります。でもお客さんが来た時に使えばうけます。
ちなみに不思議博物館売店で絶賛販売中です。



「プライベートではほとんど使いません」ってのがお気に入りと言えるのかどうか微妙ですが、ぶっ飛んだオリジナリティに負けました(笑)

2010年11月21日日曜日

「家族の日」に300人超え!

本日は「家族の日」ということで、やきもの展は観覧無料。すでに300人以上の来場者でにぎわっております。昨日から「3」つながりです。笑

今日を中心に、会場のたのしそうな様子をすこしご紹介いたします。






祝!3,000人

昨日、やきもの展はめでたく3,000人目の来場者を迎えることができました。

とくにセレモニーなどは予定していなかったのですが、スタッフみんなが「なにかプレゼントしたい!」と口々に言うものですから、急きょプチセレモニーを。


3,000人目は、まもなく生まれてくるであろうお腹のなかの赤ちゃんに。特製包装紙(かわいい!)のなかは、小石原焼のお茶碗です。

ご両親ともに大喜び。やきもの好きの子どもに育ってくれたりするかな?

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その24

山口県のずんこさんからのご投稿です。展覧会にご来場くださって、「私も投稿を!」と思ってくださったようです。ありがとうございます。

《ずんこさんのお気に入り》
山口県宇部市で活動している女性二人組「シマセラミカ」のカップです。のんびりとお魚が泳いでいる絵付けとユーモラスな形に引かれて手に取りました。
ちょっと大きめのカップなので、両手で包みこんで持つ感じ。日常使いには使い勝手が微妙かな?と思っていたのですがなんと、お魚のしっぽが描かれている突起がちょうど指の引っかかりになっ
片手でも持ちやすく絶妙の使い心地です。
飲むときの唇にあたる感触のやわらかさとおおらかな形、そして手のひらのなかで泳ぐ魚に毎日癒されてます。


微妙なのに絶妙。使うたびにはっとさせられるうつわは、毎日を新しく感じさせてくれますね。



「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その23

とても貫禄のある小鹿田の皿をご投稿いただきました。

《立丁尾花さんのお気に入り》
当方も40〜50年前の小鹿田の大皿を所有しておりますが、何処となく欧風で、バーナードリーチ氏がいらした頃の作品かしら?などと勝手に想像し、楽しんでおります。直径27㎝、高さ6㎝、重さ1.7kg。かなり重厚な大皿です。


立丁尾花さんはうきは市でステンドグラス工房兼ギャラリーを主宰されています。じつはこのお皿も実物を拝見できるそうです。眼福ですね!

2010年11月19日金曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」場外乱闘編

場外乱闘編(?)としてご投稿いただきましたうつわをご紹介いたします。

《サカザキさんのお気に入り》

去年の春だったかな・・・小石原に行ったときに買ったんだな。たしか鶴見窯の若い陶工さん」のところで。
「とびかんな」を実演(?)して見せてもらったりして楽しかった。
そーいえば「誕生日のプレゼントってことで」って買ったときの仲間の器たちだ。
写真でも察せられるかもしれないが、実は未だ使ったことがない。
器たちにとっては悲しい境遇だ。
大切にし過ぎて、結局使わないとか、食べなかった(食べれなくなってた)とかっていうのは、子どもの頃からの僕の得意技だ。
久しぶりに撮影用に包みを開けてみたけど、まだ静かな箱の中に戻される。

きっといつか「あ、そういえば。」って機会に、包みを解かれ、このままのかたちで目の前に現れて、最初に手にしたときのことや、「こんなふうに使ったらイイだろうな」って思い描いたりしたことを振り返るのだろう。

トラディショナルな技法とその素朴さに対して、色づかいの新しさが絶妙なコントラストになってるところがステキ。だと思う。若い陶工さんに思わず「グラフィックデザインとか勉強したんでしょ?」って質問した記憶がある。


いやはや、コメント長いです。しかも使われず、箱にしまわれたままのお気に入りです。で、「場外乱闘編」なのです(笑)

ちなみに投稿者のサカザキさんとは、展覧会の会場をつくってくださった坂崎隆一さんです。会場施工を請け負ってくださいますが、じつは現代美術家でもある彼のユニークなブログはこちらです。

2010年11月18日木曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その22

ちょっと毛色の変わった写真を投稿いただきました。これはなんニャ~?

吾輩堂さんのお気に入り
「あなたのお気に入り猫を見せて ください」かと思ったら、「うつわ」でした。
すみません。うっかり投稿してしまいました。
うつわは先日きむらとしろうじんじんさんの野点で絵付けしたものです。楽焼です。
稚拙な染付の線でお恥ずかしいのですが、世界にひとつしかないということで
お許しください。銘「猫好へうげ縞縞」



「これでどう遊ぼうか?」と悩んでいるのか、あるいは「はやくご飯をいれてくれ!」と催促しているのか、うつわの前で悩ましげなニャンコさん。そういや柄が似てますね(笑)

きむらとしろうじんじんさんの野立は特別編で御紹介しましたが、これもまた絶妙な仕上がり。かつ「お気に入りの猫」かと思ったというボケ方も絶妙ですね。これはプロの仕業にちがいない。

2010年11月17日水曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その21

お気に入りのうつわ、どんどん増えてきました! ミエモネさんからの投稿は小石原焼のカップ。

《ミエモネさんのお気に入り》
もう20年くらい愛用しています。毎朝、このカップで何かしら飲んでますね。本当に使い勝手が良くて、両手でカップを支えながら新聞を読むのが私のスタイル。こんなに気に入って愛用してるって孝宏さんはご存じないですけどね。(笑)


朝のさわやかな光のもと、愛されカップが笑っているようです。


ちなみに上の孝宏さんとは、太田孝宏さん。展覧会でもご出品いただいている小石原焼の陶工です。ミエモネさんはお親しいのでしょう。


20年間愛用されているなんて、うつわ冥利、陶工冥利に尽きますね。

2010年11月16日火曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その20

さて、「迷ったあげく選んだわが娘をよろしくお願いします」と投稿くださった、ハラマキさんのお気に入り。


≪ハラマキさんのお気に入り≫
唐津の中里花子さんのうつわです。
「あれ?茶碗が重なっている?」と思わせる、そのユーモアに一目ぼれしました。
ほっこりした丸いお尻がチャームポイント。卵の殻に見えたり、ゆりかごにも見えて食卓を和ませてくれます。
もっぱら菜っ葉系担当です。



両の手でなにかをすくっているようにも見えますね。ゆりかごみたいなうつわは、テーブルの上でも揺れるんでしょうか?愛らしいですね。

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その19

お気に入りのうつわ、続きますよ。とりこねりこさんからの投稿。しかも2つ!

≪とりこねりこさんのお気に入り≫

魚皿です。備前の友人が、東京での展示会に観に行った際にお土産にプレゼントしてくれました♪ 白和えやロールキャベツなどを入れてます☆(^_-)-☆ 


備前焼の友人の器です♪
ひだすきという焼き方らしいです♪♪♪
温かみがあって宝物です☆☆









写真を見ていると、酒の肴を盛って一献、といきたくなりました(笑) 素朴な風合いが魅力的な備前焼ですね。

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その18

いよいよ展覧会も終盤。「いとおしさ」がみなさんにしみてきたのでしょうか。「お気に入りのうつわ」の投稿も複数いただきました。まず最初は、おはつさんの投稿。

≪おはつさんのお気に入り≫
数年前に旅行した那覇壺屋のやちむん通り。行ったり来たり、いろんなお店を覗きまくった末に、選んだのがこの湯飲みです。
やわらかいようで、凜としている柄が好きです。
白系だからどんな飲み物でも合うのでだいたい毎日使っています。

柄が好きなので、シリーズの他の品も買いたいのですが、
おなじ店に行っておなじシリーズをみても
必ずしも気持ちが添う出来になってるとは限らず。。。。
出会ったときに買っておけ、ってやつですか。


沖縄らしいうつわですねえ。「育陶園」で求められたそうです。毎日使ってうつわを育て、うつわとともに育つ。すてきです。


そして買物の鉄則。「出会ったときに買っておけ」。まさしく!

2010年11月12日金曜日

土、さわれます

展示室のほぼ真ん中あたりに土(と粘土)が展示されています。透明のアクリルボックスに入って、どっかりと。

大人の方からは「展覧会になぜ土が展示されているんですか?」とのご質問を受け、子どもたちからは「わー!粘土遊びしていいの?」との誤解を受けることもしばしば。

お察しのとおり、中身は小石原で採れる陶土と小鹿田で採れる陶土です。

小石原焼と小鹿田焼は兄弟窯で、装飾の技法も共通していますが、決定的に異なるのが使っている土。見た目にも色がちがうのですが、この土の性質によって、焼成温度も成形の具合も微妙に異なり、装飾技法の活かし方もちがってきます。

いくら優れた陶工でも、自然(土)をまったく意のままにてなづけることは至難の業。むしろ、土に手を添え、土の意志を活かすことで魅力的なやきものが生まれます。

そんなことをすこしでも感じてもらえれば、と願ってのこのコーナー。通常は触れないようにフタをしていますが、スタッフにリクエストくだされば触っていただけます。


こんなふうに。まるで土遊びですが、最近は土に触れることも少ないようで、まあ、よしとしましょう(笑)


「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その17

MIDOさんからお気に入りのうつわ、2度目のご投稿です。ありがとうございます。

今回は満を持しての(?)小石原焼。民陶祭で求められたそうです。

≪MIDOさんのお気に入り≫

ともに小石原焼で、奥が「鶴見窯」、手前が「森喜窯」です。
先日の小石原「秋の民陶祭」で一目惚れして購入しました。器が「買って!」と言ってくるのです(笑)
どちらも若い窯元さんが伝統を大切にしながら、今風な作りにアレンジする柔軟な作風。飛鉋をアレンジした「ドット飛鉋」と呼ばれる技法が施してあります。
和風にも洋風にも幅広く使えるところが大好きです。




ドット飛鉋、かわいらしいですね。ほっこりするような写真もステキです。


素朴で今風、民陶のあらたなひろがりが感じられます。

2010年11月11日木曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その16

思わずにやけてしまううつわをご紹介。投稿くださったのは、ぽんこさんです。

≪ぽんこさんのお気に入り≫

昨年、学生時代の友人と旅行中に絵付け体験をしたお茶碗です。使うたびに友人の顔を思い出させてくれます。
毎朝、茶碗一杯のごはんを食べ終わると、ひょっこりと顔を出す愛猫の表情が、元気をくれる大切な器です。


「にゃんだろう?」的なとぼけた表情が猫好きにはたまりません。絵付けに愛情を感じます。


***
展覧会も残すところ20日を切りました。つまり、この「お気に入りのうつわ」の募集も残すところ約20日。

まだアップしきれていない投稿もありますが、みなさん、心残りのないよう、どしどし投稿ください。



関連展示「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」
毎朝コーヒーを飲むカップ、旅の思い出に買ったお皿、捨てられない子どもの頃のお茶碗など。陶磁器にかぎらず、ガラスでもプラスチックでも素材はなんでも構いません。あなたのお気に入りのうつわを写真に撮ってメールで美術館に送ってください。
展覧会場前に特別コーナーを設けて展示し、本展限定ブログでも紹介します。

応募方法:
デジタルカメラ(携帯電話のカメラでもOK ! )でお気に入りのうつわを撮影して、E-mailにて福岡県立美術館 学芸課(fpart-g(アット)lime.ocn.ne.jp *(アット)は@)にお送りください。サイズは最大2Mまで。応募の際には、①お名前(ニックネームやイニシャルでもOK ! ) ②うつわの名称や説明 ③お気に入りの理由や思い出 をお知らせください。

2010年11月6日土曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」特別編

さる10月末の3日間、北九州市小倉の随所でドレスをまとった派手なお兄ちゃん(?)が屋台を引いて登場しました。京都からやって来た美術家 きむらとしろうじんじんさんです。「焼立器飲茶美味窯付移動車」を引いて、国内外さまざまな場所で「野立」パフォーマンスを繰り広げています。


じんじんさんの福岡上陸は9年ぶり。たくさんの人が参加されたようです。そしてうれしいことに、何人かの方がそこで絵付けしたご自身のお茶碗をこのブログにご投稿くださいました!


*9月から10月にかけて開催された「街じゅうアート in 北九州 2010」の企画のひとつとして行われたプログラム。どんな人がどんなことを、、、というのは、こちらのブログをご覧ください。


ということで、「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」特別編として、一挙公開。


≪チーズさんの作品≫


「焼立器飲茶美味窯付移動車」を引いて、京都のきむらとしろうじんじんさんが1028日、北九州市小倉の旦過市場近くに出現、「野点」(茶碗絵付け、窯焼き、呈茶)を行いました。
「野点」福岡(九州)上陸は9年ぶりなので、さっそく私も絵付けしてきました。
窯出しを待つこと2時間ででき上がったのがこれ。ベンガラ色の釉薬が白い釉薬と混ざって、動物の毛皮のようなおもしろい斑入りになりました。
名付けて「猫毛釉窯変片口」。


≪山本隆明さんの作品≫

10月26日(チャチャタウン小倉にて)きむらとしろうじんじんの「野点」パフォーマンスに参加。用意された茶碗(素焼き)に絵付けして焼いてもらったもの。
貫乳ががなかなかおもしろく入った。銘「朝露」。
≪山本陽子さんの作品≫

10月28日(旦過市場のそば)きむらとしろうじんじんの「野点」パフォーマンスに参加。用意された茶碗(素焼き)に絵付けして焼いていただいた。
たらしによる大胆な線と、貫乳の繊細な線のコントラストがおもしろく思う。銘「新涼」。




文字通り世界でひとつしかないお茶碗。大胆で愛らしい、どれもこれもいい顔です。しかもすでに幾多の年月を経てきたような貫禄がすばらしい。

2010年11月4日木曜日

泥だんごワークショップ(第2日目)

2日目は1日目でつくった泥だんごをさらに整え、いよいよ光らせていきます。

作業は公園ではなく、美術館のピロティで。


スタッフの説明を聞いています。「よしよし、分かった。こうすればいいんだな」てかんじで、、、


没頭中。

しかし緊急事態が発生。風が強すぎて、泥だんごの乾燥がすごいスピードで進みます。そこで急きょ場所を移動。


こんなところでシャッター締めて、作業再開。いろいろ手を尽くしてみますが、なかなか復活難しく、大半の泥だんごが光らないままとなってしまいました。残念!

でも、うまく光った泥だんごもありました。


かなりうれしそうですね。ぴかぴかです。

最後はスタッフも一緒に記念撮影。


泥だんごづくりは失敗してしまいましたが、このみんなの笑顔。ワークショップは成功です!(と思いたい。笑)

「たのしかったよ~!」「今度、自分でもつくってみます!」「また次にワークショップするとき教えてください!」と、うれしい言葉をいっぱいもらうこともできました。


それにしても泥だんごづくりは深い。泥をこねればできるというものではなく、土と水、天候、自分の手とのコミュニケーション。またあらためて、詳しいレポートをしたいと思います。

2010年10月30日土曜日

泥だんごワークショップ(第1日目)

本日、泥だんごづくりのワークショップ(第1日目)でした。題して「土から生まれるタカラモノ ~光れ!わたしの泥だんご~」。10名の方にご参加いただきました。

まずは簡単な自己紹介をゲーム形式でしてもらってリラックス。せっかく美術館に来たのだからと展覧会を担当学芸員の解説付きで見てもらった後、、、


今回のために「えふょんず」メンバー(当館の総合案内と図書室司書による特別チーム)が渾身の力でつくりあげたオリジナル紙芝居「土から生まれるものがたり」を披露しました。


あまりのクオリティの高さに、鑑賞会をしばし。

これらが、とびっきりの泥だんごをつくるための、いわば特別レッスンとなります。効果のほどはいざ知らず。笑

そして、いよいよ当館が建つ須崎公園へ。


こんなかんじで、みんな黙々。とても美術館のワークショップには見えませんね。そのうち、見知らぬ者同士に交流も生まれ、、、


「どうよ?ぼくの?」「わたしのだって、なかなかよ!」ってかんじ。年齢差をこえたおともだち誕生?

さて、明日2日目はいよいよ磨き作業に入ります。果たしてみんなの泥だんごは光ってくれるのでしょうか?


「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その15

今回は、展覧会 担当学芸員のお気に入りをご紹介します。

どんな小石原焼(もしくは小鹿田焼)かと思いきや、なんでしょう、かわいらしい磁器のカップです。

担当としてそれはまずいんじゃないか?、と問いただしたら、「いえ、展覧会は小石原焼と小鹿田焼をとおして、やきものや自然のいとおしさを伝えるものなので、私は私のいとおしさをお見せればいいのです」と返事がきました。

なるほど。では、見せていただきましょう。

≪竹口浩司さんのお気に入り≫

「2年前、はじめて金沢を訪れたときに、どこかの雑貨屋さんで求めた磁器のカップです。澄んだ磁器の肌に愛嬌のある線文。潔いのか、それとも単にゆるいのか。気になって福岡につれて帰ってきて、使うたびに「ああ、金沢愉しかったなあ」と夫婦でうっとりしています。」


旅の思い出にやきもの。定番ですが、やはりいいものですね。


みなさんもお気に入りのうつわをどしどし投稿ください。

***

関連展示「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」
毎朝コーヒーを飲むカップ、旅の思い出に買ったお皿、捨てられない子どもの頃のお茶碗など。陶磁器にかぎらず、ガラスでもプラスチックでも素材はなんでも構いません。あなたのお気に入りのうつわを写真に撮ってメールで美術館に送ってください。
展覧会場前に特別コーナーを設けて展示し、本展限定ブログでも紹介します。

応募方法:
デジタルカメラ(携帯電話のカメラでもOK ! )でお気に入りのうつわを撮影して、E-mailにて福岡県立美術館 学芸課(fpart-g(アット)lime.ocn.ne.jp *(アット)は@)にお送りください。サイズは最大2Mまで。応募の際には、①お名前(ニックネームやイニシャルでもOK ! ) ②うつわの名称や説明 ③お気に入りの理由や思い出 をお知らせください。



2010年10月29日金曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その14

今回はつる姫さんからの投稿です。ありがとうございます。

≪つる姫さんのお気に入り≫

李朝陶器の素朴さや力強さに大事にしている、田川の伊藤明美さんの「耳杯(じはい)」です。
「耳杯」とはいえ、このうつわのそれは、小さなふたつの手のひらのよう。で、ひらひら羽ばたいていくかのよう。
両手で包み込むように持つと、うつわと手をつないだ感じがするところが好きです。」


うつわと「手をつなぐ」なんて、ステキですね。まさしく、いとおしいやきもの!

2010年10月28日木曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その13

恒例の「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」です。

投稿くださったのは、ともこさん。やきものがとてもお好きだそうで、小鹿田で本展のチラシを発見してくださったそうです。

≪ともこさんのお気に入り≫


「ケンジントンポタリーズとか何とか…のマグカップ。10年近く経つと思いますが、姉からの誕生日プレゼントです。
いちご柄が妙に素朴で大好きです。たくさんマグカップを持っていますが結局これを使っている気がします。
以前入院したときもこのいちごマグを連れていったくらい愛用しています。」


日本ではちょっと見ないような、ワイルドな(?)いちご柄ですね。元気をもらえそうです。病院に「連れていった」気持ちが分かるような気がします。

2010年10月27日水曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その12

お気に入りのうつわ、ついにどんぴしゃの小石原焼をご紹介します。

投稿くださったのは、みっちゃんさん。

≪みっちゃんさんのお気に入り≫

「実家から譲り受けて愛用している小石原焼です。直径26センチでちょっと大きめ。5枚あったけれど割れてしまって残った2枚です。休日のブランチに夫とのんび~り、何げない食べ物を素朴で美味しそぉ~に包み込んでくれます。胃袋と心が満たされる感じです。」


ゆったりとした時間が流れているかんじがいいですね。胃袋も心も満タンに!

2010年10月25日月曜日

裏(?)見どころ、もろもろ

小石原焼と小鹿田焼に惚れぼれしてもらうのが一番なんですが、この展覧会の見どころは、やきもの以外にもあったりします。

題して、裏見どころ。

そのひとつが、会場で流している30分ほどのDVDです。

これは、Marty Grossというカナダの映像作家が1976年に撮影したドキュメンタリーで、当時の小石原と小鹿田が収められています。題して、「Potters at Work」。

技法の解説や歴史の紹介などは一切なく、2つの里の陶工がやきものをつくり、生活している様子が淡々と流れています。しかし、だからこそ、いい。

黙々と轆轤を挽く陶工の姿や、小鹿田の里に響き渡る唐臼の音、急な夕立にあわてて外のやきものを中にしまいこむ家族総出の作業。ちょっとだけ見るつもりで席に着いたはずが、気づけばしっかりと30分見終っていた、というのもうなづけます。

ちなみに映像におさめられている陶工は、小石原では太田熊雄さん、小鹿田では坂本茂木さん。ともに名工と謳われた方です。そして、ふたりの手さばきだけでなく、家族一丸となってやきものづくりに勤しむ様子も良く分かります。

さらに、裏見どころその2。

それは、お茶碗がズラリと並べられた、その長い一枚板です。

長さ4メートル、重さ120キロのこの杉の板は、美術館の作品搬入エレベータに乗らず、美術輸送業者さんたちと階段をえっちらおっちらと運んだわけですが、「ほ~、この板、いいいねえ」との声が続出。

今回、企画にも協力いただき、会場施工も請け負っていただいた坂崎隆一さんの提案により実現しました。

写真に写っている木製のキャプションもまた坂崎さんの提案。

展示台やキャプションは、展示作品を主役とするならしょせん脇役ではありますが、しかし名脇役は主役を食うくらいの存在感を放ち、展覧会という場の印象さえ大きく左右することがあります。

唐臼の音や鳥の鳴き声がかすかに響き、天然の木が随所に横たわる空間。そこに土からできたやきものが居並ぶ。ほっこりできないはずがありません。長い方では会場に2,3時間も滞在してくださる方もおられます。

みなさんもぜひ、ご来場ください。お待ちしています。

2010年10月24日日曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その11

本日あいにくの雨。けれど、おうちでゆっくりと過ごすには心地いい雨音でしょう。お気に入りのカップにコーヒーでもいれて。

ということで、「あなたのお気に入りのうつわをみせてください。」 今回はちえさんからの投稿です。

≪ちえさんのお気に入り≫

5〜6歳の頃から毎朝使ってました。
1974年生まれのキティちゃんは私の3つ歳下で、一緒に成長していった幼なじみみたいな感覚です。棒キャンディや瓶入りレモンがとてもお洒落に見え、よくうっとりとお絵かき帳に描き写していました。
40歳間近の今も、大のお気に入りです。」


成長をともにした「幼なじみ」。すてきですね。使うたびに思い出のなかを自由に旅できる、そんなタイムマシンであるのかもしれません。

2010年10月22日金曜日

「あなたのお気に入りのうつわを見せてください。」その10

今回はMIDOさんから投稿いただいたお気に入りのうつわをご紹介します。朝鮮唐津の小皿だそうです。

MIDOさんのお気に入り≫

「宮地獄神社を散策中に出張販売に来られてたうつわ屋さんから購入したものです。滝つぼに落ちるような釉に一目惚れして購入。ケーキを乗せると素敵ですよ!」


なにかが宿っていそうなオーラがむんむん。そこにケーキというのが、MIDOさん流でしょうか。

2010年10月21日木曜日

西日本新聞に紹介記事が掲載

10月21日の西日本新聞(朝刊)に本展の紹介記事を掲載していただきました。担当学芸員の竹口が執筆しております。

新聞紙上でご覧いただいた方もいらっしゃるかと思いますが、まだご覧になっていない方のために、ブログにアップしました。

会場の様子はもちろんのこと、担当学芸員の顔もあわせてお楽しみください。笑



【テキスト全文】

展覧会の開催を目前に控え、チラシが皆さんの手元にようやく届きだした頃、私のもとにはさまざまな感想が届きました。「お菓子の包み紙のようでかわいいですね」「秋らしく、落ち着いた色がステキですね」という多数派から、「インクの匂いがいいですね」「『いとおしいやきものたち』を『おいしいやきいもたち』と読んじゃいました」という少数派まで、ともかくリアクションは絶大でした。
109日から開催している「小石原焼と小鹿田焼 いとおしいやきものたち」。この展覧会のためのチラシ、会場配布リーフレットはともに博多区須崎町に事務所を構えるCalamari Inc.がデザインしてくれました。小石原と小鹿田への調査にも同行した彼らが最初に出した案は「包装紙のようなチラシを」「コースターのようなリーフレットを」というものでした。私はその提案をとても面白いと即座に賛同し、印刷物が出来上がるにいたったのです。

福岡にお住まいの方なら小石原焼にはなじみが深いかもしれません。朝倉郡東峰村の小石原に50軒程の窯が集まり、17世紀からの伝統を受けつぎながら現代の暮らしに映える器をつくっています。一方小鹿田焼は、全国的な知名度はとても高いのですが、福岡では案外知られていないようです。しかし、じつは小石原焼とは兄弟窯。大分県日田市小鹿田の集落からすこし離れた山間の里に10軒の窯がぎゅっと寄りあい、まるで家族のように共同でやきものづくりを営んでいます。ともに素朴でありながら力強く、愛嬌のあるその姿は、暮らしのなかで使いたくなるいとおしいやきものたちです。
調査を重ねていくなかで印象的な陶工の言葉に出会いました。「きれいにできたやきものは人の暮らしのなかで使われて、割れて、大抵が消えて無くなってしまうものです。しかしそれが私たちの理想とする仕事なのかもしれませんね」 この言葉をいっしょに耳にしたかどうかの記憶はあやふやなのですが、デザイナーもまた暮らしのなかでの用途にこだわりました。

チラシの用途は第一に展覧会の広報ですから、当の展覧会を見終わればもう手元に残しておく必要もありません。しかし、さらに「包装紙」という別の用途を与えることで、それぞれの暮らしのなかで使われたり大事に保存しておかれたりしつつ、いつかその天分を全うすることもありえるでしょう。
デザイナー曰く「わざわざ捨てられるようなものは、もうつくりたくないんです」。いずれ消えて無くなるにしても、いとおしく慈しまれた果てを目指す――これは先の陶工の言葉と同じ方向を見つめているし、「民陶」というものの遺伝子を彼らなりに受け止め、伝えてくれているような気がしています。(福岡県立美術館学芸員 竹口浩司)